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月経前症候群(PMS)と月経前気分不快障
害(PMDD)
月経の前に、いろいろな症状を訴える人がいます。頭
痛がする。ニキビが出来る。鼻炎をおこす。身体がむくむ。喘息がひどくなる。アトピーがひどくなる。食欲が異常に亢進する。腹痛、腰痛がおこる。などなど
です。また、妙にイライラして、ものを投げる。普段なら決して言うこともない暴言をはく。些細なことで当り散らす。気分が落ち込んで、涙がこぼれる。パ
ニックに陥る。ひどい場合には、思わず手首を切りつけてしまう。などです。あるお父さんは、〈私の娘は、このごろ、時によって、とても耐えられないような
暴言を吐く。以前の娘とまったく人が変わってしまったようだ。〉と言って相談に来られました。娘さんにお会いしてみると、いかにも育ちのよさそうな、明る
いお嬢さんで、言葉づかいも丁寧な方でした。ご自分でも、〈時々、コントロールが出来なくなって暴言を吐いてしまいます。それを後になって気付くので
す。〉といわれました。いつそうなるのですかと聞くと〈決まって月経の前です。〉と答えられました。あらわれ方は人によりさまざまですが、これらは月経前
症候群(PMS)あるいは月経前気分不快障害(PMDD)です。PMDDは症状がきわめて重症のPMSと考えられています。
働く女性の約一割はこのために休んでいます
私の診療所に受診される方に、上に述べた症状の方が増えています。はじめは、月経痛などで受診されても、じつはこんなことで困っていますと打ち明けられ
ます。また、他の医師にうつ病、パニック障害などと診断され、たくさんの薬をもらって、それでもよくならないので受診される方も少なくありません。
大阪成人病センターの婦人科では、20代から40代の子宮ガン検診受診者を対象に、PMSあるいはPMDDのアンケート調査をおこないました。回答をよせたのは1152人(30代64%、未婚者54%)で
した。中等度から重度のPMSが疑われた症例は75例(6.5%)、PMDDが疑われた症例は、14例(1.2%)でした。治療を受けている例は、8例と少なく、潜在的な患者が多
くいると指摘しています。働いている女性912例中105例(11.5%)が、PMSあるいはPMDDの症状のため、多くは、1日仕事を休んでいました。
どんなことに気をつけたらいいのか?
成人病センターでは、神経、身体症状をスコア化(PSQスコア)し、生活習慣、社会的背景をしらべています。それによると、未婚、甘いものをよ
く食べる、塩からいものをよく食べる、喫煙が、高いスコアと関係があったといいます。
私は、PMSの症状をつける表や生活スタイルを聞く表をお渡しして、漢方治療と同時に食事指導をして
います。甘いものは、この期間は低血糖を起こしやすいので私は制限せず、チョコレートやワイン、チーズをさけてもらいます。カルシウムをたっぷり摂ること
もすすめています。うつがひどい人には、α-リノレイン酸の多く含まれる、亜麻仁油などをおすすめしています。トランス脂肪は、α-リノレイン酸の働きを邪魔する
と考えられるので、マーガリン、植物性ショートニングの他、植物油が含まれるクッキーなどのスナック菓子をさけるようにいいます。コロッケやカツなどの揚
げた物はもちろん禁止です。塩辛いもののとりすぎは水分代謝を乱し、そうでなくても水分貯留しやすいこの時期の浮腫の原因になります。
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