中高年は魚を!妊産婦こどもはとり過ぎに注意!

 
 さかなをたくさん食べましょうというのが最近の健康ニュースでよくある記事です。わたしたち日本人は魚や貝の好きな国 民です。刺し身やてんぷら、煮魚、焼き魚、オイル漬け、発酵させるなどいろいろな形で魚をたべます。味噌汁や澄まし汁などにも魚のダシは欠かせません。油 の乗ったトロや東京湾でとれる、江戸前のアナゴなど高価ですが人気のあるご馳走です。土用の丑の日には多くの人々が暑さをのりきって元気ですごすため、う なぎをたべます。摂南大学の宮田氏らの調査では、日本人は魚や貝を一日平均90グラム食べていますが、ドイツでは15グラム(ベックらによる)、 カナダでは2グラム(バーミンガムらによる)です。
  アメリカ心臓協会(AHA)は、健康なひとは心疾患 を予防するために、魚類をとるべきという食事摂取ガイドラインをだしていました。健康な成人は、サバ、鱒、ニシン、イワシ、マグロ、鮭などを週2食分以上 摂るようにすすめてきたのです。これらの魚にはω3系脂肪酸であるイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)が豊富にふくまれている からです。EPADHAは植物由来のω3系脂肪酸であるαリノレン酸から
魚やヒトの体内でつくられます。αリノレン酸は、大豆、小豆、エゴマ、菜種油、ジャガイモ、えんどう豆、かぼちゃ、シュン ギク、こまつな、紫蘇などに多くふくまれています。
このガイドラインは、アメリカ環境保護局(EPA)とアメリカ食品医薬品安 全局(FDA)が最近公表した、魚介類汚染の現状にたいする注意点も考慮して改訂されました。(EPA FDAは魚がメチル水銀に汚染さ れていることから、魚は一週間に(標準体重の人で)340グラム程度で、汚染が少ないさまざまな種類のものを食べるように勧告しているのです。)
 ω3系脂肪酸は脂質として優れているだけでなく、心臓にも好ましい影響をあたえる。ω3系脂肪酸の摂取により、心筋梗塞の原因になる血栓が形成されにくくなり、心臓突然死の 引き金になる不整脈の予防にも関係する。 と、勧告はのべています。しかし、どういう時期に、誰が摂るかが問題です。こどもや妊 婦、授乳期の女性は、魚を食べることで過剰な量の水銀にさらされる危険を考えなければなりません。こどもや妊婦、授乳期の女性は、いっぱんに心血管疾患の 低リスクグループなので、汚染のおそれのある魚を避けることがより優先されるというのです。一方、中高年男性や、閉経後女性では、ガイドラインで示された 範囲内で魚を食べることがリスクをはるかに上回るのというのです。
 日本の場合、海のダイオキシン汚染は深刻で、ダイオキシン摂取 についての注意をふくめたガイドラインが必要でしょう。このことはいずれお話しましょう。次回は脂肪のとりかたについて。

 (注)アメリカの場合標準体重は70kgですが、日本では50kgです。
 (注)ω3系脂肪酸 生きていくのに必要な不飽和脂肪酸で、ヒトの体内で合成が出来ない必須脂肪 酸のひとつ。必須脂肪酸にはω3系脂肪酸、ω6系脂肪酸があるが、ω3、ω6は二重結合の位置によってつけられた名前。二重結合があると脂肪は植物油や魚油のよう に常温で液体になります。

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