うつ病と食べ物

 現代はストレス社会です。労働者で仕事のストレスを感じている人は全体の60%を超えており、20年前と比べ10%も増えています。中でもうつ病はとても多い病気です。日本の人口の15%が現在うつ病と言われるほどです。 自殺も1998年ごろから、特に40〜50代の男性に顕著に増えています。女性も例外ではありません。欧米諸国に比べ、日本の自殺率は50代以上では男女共に高いのです。

 うつの原因になるストレスは、働き過ぎをなくすとか、職場環境を改善するとか、社会的に解決すべきことも多いのですが、自分や家庭でできることがあります。

 私がお勧めするいくつかのことをお話しましょう。まず、朝起きた時に日の光を浴びることと、αリノレイン酸を多く含んだ油を食べることを勧めています。αリノレイン酸を多く含んだ油では、私の経験上、低温圧搾の亜麻仁油が一番効き目がありました。

 ある患者さんは、身に降りかかったショックのため何年も引きこもっていました。初めて受診されたとき、家族と一緒でしたが、無表情でほとんど反応がありませんでした。そこで、朝日に当たり、亜麻仁油を大さじ2杯取ること、そして漢方薬をお薦めしました。1週間後、確かに表情に動きが出て、明るくなられた感じがしました。ご家族も大きな変化を実感しておられました。その後も積極性が出る、反応が早くなる、気持ちが安定するなど、受診のたびによい変化が見られています。

 うつ病の治療には、カウンセリングや標準的な抗うつ薬が使われます。標準的な抗うつ薬に加えて、αリノレイン酸から生成されたEPAを投与して、気分の落ち込み、罪悪感、無気力、不眠などの症状が改善したという報告があります。たいていのEPAは魚油由来のものと考えられ、ダイオキシンなどで汚染されている心配が払しょくできないため、私は有機栽培で低温圧搾の亜麻仁油をお薦めしています。

 そのほか、うつ病にいい食べ物として、トリプトファンやフェニールアラニンといったアミノ酸、含硫アミノ酸であるメチオニンを含んでいる食品がお薦めです。

αリノレイン酸:亜麻仁油
トワプトファン:ノリ、カツオ、大豆、カシューナッツ、ゴマ、小豆、牛肉、卵
フェニールアラニン:カツオ、サンマ、シラス干し、豚肉、卵
メチオニン:ノリ、カツオ、サンマ、シラス干し、豚肉、卵